このレビューはネタバレを含みます
その人をその人たらしめるものはなにか?
顔?名前?それとも、戸籍?
窪田くんが本当に素晴らしくて、彼の演技を見るだけでもこの作品を見る価値があると思う!!見た目は瓜二つだけど、中身は正反対の父親と息子の2役を1人で演じていたけれど、圧巻。まるで別人でした。身体作りもすごかった。
妻夫木くんと安藤サクラもやはりよかった。安藤サクラはいつも1人で生きていけるような強い感じの女性を演じることが多い印象だけど、今回の役は少しか弱さというか、なんとなくそばにいてあげたくなるような女性を演じていて、新しい安藤サクラを見れた感じがしてそれもよかったなあ。
(真木よう子、美しいんだけどどうしても演技が気になってしまうところがある…!!)
城戸(妻夫木聡)は、ラストシーンで他人の人生をあたかも自分が体験したかのように話していた。聞くものはそれが嘘だとはわからない。
彼はただ初対面の人にその場限りの嘘をついただけなのか、それとも…。
アイデンティティというものは不可視的で、可変的でもあるのかもしれないと思わされた。
その人の名前や顔や戸籍ではなく、その人と一緒に過ごした人たちが、その人の存在証明になるのではないかと思う。
原作ベースの作品なので、どうしても詳細が描ききれていない部分が多く感じてしまったのは残念だったかな。