福福吉吉

U-571の福福吉吉のレビュー・感想・評価

U-571(2000年製作の映画)
4.5
◆あらすじ◆
第二次世界大戦の最中、ドイツ軍のUボート571号が連合軍の攻撃を受け、漂流していた。連合軍はドイツ軍の暗号解読機「エニグマ」を奪取するため、潜水艦S33号がドイツ軍に偽装して571号を襲撃する。副長のアンディを始めとする奇襲部隊は571号を占拠し、成功したかに見えたが...。

◆感想◆
艦長になりたいアンディがドイツ軍の571号奇襲作戦で571号を奪取したことにより期せずして571号の艦長として船員の命を背負う決断に迫られる姿を描いた作品であり、ドイツ軍の苛烈な攻撃を数少ない船員で必死にしのぐシーンの緊張感と絶望感がとても出ていました。

アンドリュー・“アンディ”・タイラー大尉(マシュー・マコノヒー)は最初にまだ艦長として相応しくないと否定されており、その点に不満を持っていました。しかし、Uボート571号を占拠し、艦長が不在になってアンディが指揮することとなり、アンディは艦長としての決断力や心の在り方に足りない部分が見えてきます。そして、次々と襲い来るドイツ軍の攻撃の中で、アンディは艦長として成長していきます。この成長する姿が本作の一番の見どころだと思います。終盤のアンディの表情は鬼気迫るものがあってとても怖かったです。

後半のドイツ軍の駆逐艦の攻撃に571号が晒され続けるシーンは迫力が凄く、爆雷が爆発する度に艦内が大地震のごとく揺れて、艦内のパイプから水が噴き出すシーンは死を覚悟するぐらいの衝撃を感じました。

ストーリーの些細な部分ですが、アンディたちがドイツ軍の571号を奪取するのですが、いざ動かそうとすると艦内が全てドイツ語で記載されていて分からないというシーンがあり、こういう部分をきちんと描いていたのでとてもリアルに感じました。

生死の境で戦い続けた潜水艦571号とその船員たちの臨場感がとても素晴らしい作品でした。とても面白かったと思います。

鑑賞日:2023年11月24日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年11月9日)
福福吉吉

福福吉吉