むらむら

女神の継承のむらむらのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
5.0
「ミンちゃんは俺の嫁!!!!!!!」

スクリーンに向かって、こう叫んでしまいたくなった、ドキュメンタリー形式の憑依系ホラー。

TV番組の取材班が女性霊媒師に密着してるうちに、その姪っ子のミンちゃんに悪霊が取り憑いてしまい、恐ろしいことが起こる、という話。

最初、TV取材班が密着するババア霊媒師が、ダニー・トレホを女装させたみたいな風貌だったので、

「くそっ! なんで俺がダニー・トレホの密着取材を2時間10分観なあかんねん」

って思ってたら、真の主役は姪っ子の美少女ミンちゃん。途中から、TV取材班の取材対象は、悪霊に取り憑かれたミンちゃんにシフトしていく。

ミンちゃんの演技が真に迫りすぎていて、悪霊よりもミンちゃんに圧倒されてしまう。サービスショットもあるし。俺はこれ一作で、ミンちゃん(ナリルヤ・グルモンコルペチ)の大ファンになってしまった。俺もついでに、ミンちゃんに取り憑いても良いですかね?

それと、TV取材班。気持ちは分かるのだが、ミンちゃんはトイレやお風呂まで追いかけて、川べりでイメージショットまで撮るくらい熱が入ってる割に、ババア祈祷師は車のインタビューで済ます、そのあからさまな熱量の違い何なの?

あとミンちゃんの叔父さんが宮史郎みたいな風貌なのに、若くてキレイな奥さんいるのも何なの? なんで俺が独身で、この宮史郎が嫁もらえてんのよ。

だからといってTV取材班。

「ミンちゃんの夜の行動を監視する」

ってお題目で、ミンちゃんが寝泊まりしてる宮史郎夫妻の家に監視カメラを設置するのは良いとしても、夫婦の寝室にまで監視カメラ仕掛ける必要ないやろ。

「隠しカメラで、ミンちゃんの夜の行動を確認しました。こちらです(キリッ)」

つってドヤ顔で宮史郎夫妻に報告してたけど、絶対、宮史郎は「こいつら……」って内心キレてたと思うよ!

だが、そんなTV取材班の、やたら熱のこもったミンちゃんへの密着取材のおかげで、夜中に起き出して奇妙な行動を取るミンちゃんの姿がカメラに捉えられる。

このミンちゃんの演技がまた凄い。凄まじい形相で、四つん這いで床を這ったり、冷蔵庫を漁ったり……。

余談だが、俺もガキの頃、実家で、立つことすら面倒くさくて四つん這いのまま冷蔵庫を漁って何度も怒られたことがあるので、ミンちゃんには共感しかなかった。

ついでに言うと(ちょっとネタバレだが)悪霊に取り憑かれたミンちゃんが監視カメラの前で放尿する遠景のシーンがあるのだが、ここはTV撮影班には、悪霊のせいにして監視カメラをズームしてほしかったぜ。

クライマックスは祈祷師たちによる大規模なお祓い。詳細はネタバレになるので避けるが、ちょっとジャパニーズホラー「来る」を思い出させる展開。

祈祷師の中に、明らかに竹中直人と江頭2:50が何人か混じっていて、そののたうち回る姿が、祈祷というより

「リアクションで一番笑わせた奴が優勝!」

コンテストみたいになってた。そもそもミンちゃんに取り憑いてたハズの悪霊なのに、後半、節操なくなりすぎじゃないか?

それと、そんなメチャクチャな状態なのに、「オッサンたち邪魔だー!!」という精神で、しつこくミンちゃんだけは映してるTV取材班には共感しかなかったぜ。

まぁいいや。とにかくミンちゃんを拝むだけでも価値のある良作ホラー。「ジュラシック・ワールド」じゃないけど、ミンちゃんだったら悪霊に取り憑かれてても、俺と共存できると思うので嫁に来てほしい。俺も四つん這いで愛を育ませて頂きます。無理ならミンちゃんの職場の夜間警備員でいいから雇ってください。

最後に余談だが、今作の悪霊

1.先祖からの呪いが祟る
2.祈祷が必要
3.「壺」を使って悪霊を封じ込める

っていう設定なので、絶対エンドロールで

「提供:統一教会」

と出てきて「壺購入はコチラ→」ってURLが出てくるんじゃないかとビクビクしてたら違った。それだったらマジ怖くて泣いちゃったかも。

(おしまい)
むらむら

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