haizi

ベネデッタのhaiziのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
3.5
信仰と欲望と・・・


17世紀、同性愛で告発された修道女の物語。
実話から着想を得た物語ということだけど、どこまでが実際にあったコトなのかしら。。。興味深い( ゚д゚)ウム
興味深いけど、ちょっと難しかった。。。

当然ながら現代より男社会の17世紀。
しかもペスト大流行で非常に不安定なヨーロッパで、信心深いベネデッタが嘘や狂言などを駆使してキリスト教社会をサバイブして伸し上っていくストーリーだと感じたんだけど、合ってるかな??


とにかく非常に露悪的。

出てくる奴らみんな一癖も二癖もあって、人間ならではの汚さや厭らしさ、強欲さを強烈に描いている印象。
清廉潔白な人間なんていないって事よね。
聖職者だろうと人間、強欲になる事もあれば、信仰心が揺らぐこともあるし、性欲に飲み込まれることもある。

そんな疫病と人の欲がぐちゃぐちゃになった本作の中で、ベネデッタの信仰心だけは揺るがない。
まさに「聖女」✨
信仰と云うか、、、むしろキリストに心酔しちゃって惚れちゃって、キリストに欲情しているのではないかとすら感じた。それも猛烈に。

だからこそ、熱烈に愛し合ったバルトロメアに背を向けて、教会に、キリストの元に戻ったのではないかしら。

多分、ベネデッタは狂言師で聖痕やら何やらも「やっちゃってる」。それでもキリストさんに対する想いは間違いなくガチ!!
その揺るがない想いが伝わるから、聖女だと感じるんだろうな。。。

あの凛とした、迷いなく教会に向かう後姿は神々しく魅力的だった。
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