春とヒコーキ土岡哲朗

シーサイドモーテルの春とヒコーキ土岡哲朗のネタバレレビュー・内容・結末

シーサイドモーテル(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

各部屋の人間が、自分の室内で相手の上に立とうと必死。さらに、別々の部屋の行動が互いに影響を及ぼす感じは面白い。4つの部屋で描かれる「作戦」が、それぞれかぶりなしで別の種類であるのも見事。生田斗真の「色々失格」発言は、自身が主演した「人間失格」からのギャグだろうか。生田・麻生両人は、愛に関する騙し合いを楽しみながら、結局は本当に惹かれ合う。でも、生田は麻生に騙されたと思い込んで、モーテルを去った。人の心の揺れ動きはなんてテキトーな根拠で簡単に起こるんだろうと感じた。人間は愛を「信じたい」という気持ちで動いているんだな。
山田・玉山部屋は、敵対しながらも友情の絡んだ展開となり、幼馴染を抱きかかえながら泣く泣く殺すという無情な展開になる。しかし、違和感を覚えた玉山の推理が始まり、ミステリー要素が出る。結局生きていて、金を持ち逃げする山田。でも最後は、麻生の車とぶつかって死亡。玉山との騙し合いに勝ったものの、欲が出て死ぬ結果に。
交通事故での入院から退院した麻生が部屋に訪れるが、4週間も経っているため、もちろん生田はもういない。しかし、一時でも、二人の愛が「インチキから本物に」なっていたことで、麻生が笑顔で部屋を後にしたのが良かった。