春とヒコーキ土岡哲朗

Dr.パルナサスの鏡の春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

Dr.パルナサスの鏡(2009年製作の映画)
-
理想と欲望の表裏一体。

オープニングで困窮者の姿が描かれ、ただ「夢の世界」を描いたファンタジーではないことが分かる。妖精のような少女について行った不届き者が恐ろしい制裁を受ける、誘惑の場所。

博士が悪魔から授かった、想像の世界を具現化する力と同じくらい、人々を期待させることに長けたトニーの話術や魅力も“悪魔”。

理想を叶える鏡の世界ではいつも悪魔が虎視眈々と隙を狙っている。悪魔はいつまでもそばにいるが、人間の理性で戦い続けることはできる。想像力とは現実世界に向けるべきもの。現実逃避のためじゃない。