無知A

コーダ あいのうたの無知Aのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.3
最初に一言、心から感動した。今作は、家族をテーマの軸に、ろう者の抱える様々な要素が映し出されていた。良くも悪くも彼らの全てをさらけだしており、非常に親しめる距離感で描かれていた。場合によっては、差別だとお叱りを受けるかもしれないギリギリを攻めているので、より一層感情移入が捗った。そして、この至近距離から放たれる家族愛には、ただただ心打たれる。口先の言葉だけでは無い、体と心の全てを使った愛の尊さには、涙させられた。いや、むしろ、静かだからこそ伝わる熱さと感動があったと言ってもいい。

さて、内容についてはまったくの文句なしだが、音楽についても物凄くレベルが高かったように思う。中でも、カバー曲とはいえ、『青春の光と影』は作品の核心に触れる内容で、ひとしおだった。ラブソングのデュエットも素晴らしいが、最後に流れた曲、『Both sides now』に感動した人は少なくないと思う。

総じて、今作はアカデミーの三部門で受賞した事も頷ける名作だった。愛とは何なのか、今一度考えさせられる内容だった。


(内訳)
面白さ 4.4
学び 4.3
構造 4.2
無知A

無知A