SSDD

トビラ 魔の入り口のSSDDのレビュー・感想・評価

トビラ 魔の入り口(2018年製作の映画)
3.3
◼︎概要
ある夫婦は子供の教育のために越し、妻は趣味のリフォームや骨董品の修復などを行なっていた。
ある時出かけた森の中で、古びた扉を見つけ家に取り付けるのだが奇妙なことが起こり始める…。

◼︎感想(ネタバレなし)
なかなか丁寧な作りで間引けば30分のショート映画として完成しそうなホラー。
出てくる占い師のキャラクターが妙に魅力的に見え、観ていられる。
逆に内容としてはクラシカルなホラーで怪異にも真新しさはない。

都市伝説やアメリカ史の事件をモチーフにダークファンタジーを創り出した感じもするし、寓話的な作品にも感じなくもない。

つまり浅いストレートなB級なのだが、どうも癖があり視聴し続けられる妙な魅力は感じられました。人にはオススメできないけど私は嫌いじゃなかったです。











◼︎感想(ネタバレあり)
・どの町でもあること
どの町でも定期的な行方不明の子供が頻発した過去があるという、地域の伝承のようなものを怪異の仕業と仕立てている。

都市伝説的な何度捨てても破壊しても戻ってくるという呪物的な扉が怪異の原因というのもわかりやすく、それを知る街の住人などステレオタイプな内容の組み合わせではある。

・取引
子供が攫われ怪異との取引の単語が出た時点で、子供と引き換えに扉を解放するとは思っていました。

ツイストとしては学校に設置という直接的な手法とは思っていませんでしたが、学校で働いていたという父親が伏線になっていたのはなかなか悪くなかったです。

・総評
占い師が実は自分も子供を守るために取引をしたことで聴覚が犠牲になり、かつ新たな獲物を扉に誘致する役だったというラストを期待していたのですがあっさり有能な、霊能者なだけというのは見誤った。

個人的には一家全滅で占い師が取引の代償のため、新たな次の獲物を探すというラストが希望でしたが、学校に設置して企てを知るものが皆逃げ出すという話もなかなか寓話的で良かった。

マイノリティである子供を排除したマジョリティに、災いをもたらすものが渡され知らずにマジョリティ達は因果応報を受けるという胸糞なラストはいいですね。
SSDD

SSDD