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ベレニスのayakosのレビュー・感想・評価

ベレニス(1954年製作の映画)
3.4
エドガー・アラン・ポー原作。
従妹の「歯」に執着した陰鬱な男をエリックロメール本人が演じている。

モノクロの映像に沿って朗読劇のように進行していき、エリックロメールのつくるおぼつかないふわふわした空間にエドガーの不気味な物語が合わさりなんとも言えない不快感を抱えながら終始、男視点で進んでいく。
この空気感、もし1時間だったらちょっと耐えられなかったかもしれないけれど、20分程で終わるので時間配分もちょうど良い。

ラスト5分から開花する狂気、男の肩を叩く使用人、散らばる何か。
独白で進むからこその遅れてやってくる背筋が凍る後味が良かったです。
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