ククレ

BLUE/ブルーのククレのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

吉田監督のまだ観てない作品を観ておこうと思って。
ショッキングな展開で感情を揺さぶられるか?と覚悟して観てみたら…あれ?清々しいボクシング青春群像劇やんけ!
「敗者の視点」で見せながらも、卑屈になることなくひたむきに切磋琢磨していく姿を、とても温かく見守るように描いている。感動したわ。

以下はネタバレ…





登場人物がみんないい。「誰よりもボクシングを愛してるけど勝てない瓜田」、「日本チャンピオンやけどパンチドランカーの小川」、「ビビリでヘタレな初心者の楢崎」、「小川を心配する婚約者の千佳」…リアルな人物描写はさすが。
赤い髪のヤンチャな奴も良かったな。

結局、瓜田は「BLUE」のまま引退するんやね。悲しいなぁ。でも、よくあることなんやろうな。敵討ちしようとした樽崎も判定負け。メチャ悔しく感じたけど、樽崎には一矢報いた手応えがあったんやろうね。「瓜田ノート」には胸が温かくなった。

脳にダメージ受けててかなりヤバかった小川は「脳外科手術」までにはならんかったんやね。赤井英和みたいになるんかと思ってたから、ホッとした。でも、これからもどうやって仕事していくんやろ?さらに悪化して働けなくなって、ヒモみたいになるような気がする…。赤い髪の奴も辞めたし、ボクシングの「リスク」についてもしっかりと描かれている。

ラストシーン、魚市場でシャドウする瓜田がカッコいい!きっとボクシングって「やめられない魔力」があるんやろうね。「ストイックに自分を追い込んで力をつけ、対戦相手をぶち倒す」という快感は、一度ハマると抜けられなくなるんやろうな。でも、文字通り「命がけ」のスポーツなんやで…家族や恋人はしんどいわな。

それにしても、ボクシング映画を観るたびに思うのは、ボクサー役をする役者はスゴイ!ということ。かなりトレーニングするんやろうな〜。へっぴり腰やった柄本時生が次第に強くなっていくのが面白いなぁ。松山ケンイチの負ける試合展開も上手いよな。

ボクシング映画を観たあとはいつも「自分もボクシング習えば強くなれるかも?」と思うけど、しばらくして我に返るねん…。楢崎と同じで痛いのはイヤやわ〜。
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