春とヒコーキ土岡哲朗

LEGO スター・ウォーズ/ホリデー・スペシャルの春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

-
スター・ウォーズの恩恵を愛し続けよう。

EP9の後が見られる貴重な作品。
今作は正史には数えないギャグ作品だが、一応EP9の後の設定を描いてくれている。そこで見られて嬉しかったのは、レイがフィンをジェダイとして修行する姿。EP9ではフィンがフォース感応者と発覚したことに何の意味があるのか分からない消化不良で終わったが、こうして修行しているのを見ると、フィンがこれから立派なジェダイとして人を救うんだろうなと希望を感じて、スッキリする。

豪華な共演。
タイムトラベルにより、過去作のキャラクターと豪華共演。レイが若き日のルークやベイダー、アナキン、オビ=ワンと絡むのはプリークエル、オリジナル、シークエルが結びついて嬉しい。
ポッドレース、デス・スター破壊、レイとカイロ・レン。ぼくを楽しませてくれたものが全部同時に観られる。そこにマンドーとグローグーも出てきて、スター・ウォーズは最高のキャラクターが同じ宇宙にたくさんいるんだという喜ぶべき事実を再確認。真面目な作品でタイムトラベルしてしまうと禁じ手だが、ギャグ作品だからできるファンサービス。

自己風刺ギャグもある。
オビ=ワンがクワイガンに「貿易のもめごとなんて誰も興味ない」とEP1の地味さを皮肉った発言。カイロ・レンが一度壊したマスクを直すあたりも、壊したことも直したことも子供じみているように描き、最新のEP9まで自己風刺していてすごい。

このアニメ自体、スター・ウォーズの黒歴史であるテレビ映画「ホリデー・スぺシャル」と向き合ったタイトル。同じライフ・デイという祝日をモチーフに描き、配信日もかつての放送日と揃えた。黒歴史や批判があるのもスター・ウォーズのこれまでの歩み。シークエルが批判だらけで完結したばかりだが、いいところを愛でて楽しもう、というスター・ウォーズファンの心得をLEGOスター・ウォーズという第三者が言ってくれてる。