アー君

エスター ファースト・キルのアー君のレビュー・感想・評価

3.2
この前日譚を楽しみにしていたわけではないが、それなりに面白かったとは思う。特に前作を観なくても大丈夫な感じの作品ではあった。

【↓以下はネタバレ↓】

















前回視聴した「エスター」を観たときはあまり衝撃的ではなかった。子供の残虐性というのは楳図かずお「漂流教室」におけるクラス内の内ゲバや三島「午後の曳行」など誰もが生まれながらにある性悪説として理解をしている。(もちろんこの映画はホルモンの障がいが原因で実際は子供ではなく論評がズレているが。)

ストーリーとしては中盤の展開からは母親のトリシアの問題が絡むあたりから面白い展開になる兆しはあったが、どこかエスターとのバランスがむずかしく展開が早く進行していつの間にか終わってしまったのでさらに捻りが欲しかったかな。

そしてエスター自体が精神病棟に隔離されるほどのサイコパシーには見えなかった。おそらく前作よりも客観性を抑えて主観でエスターの視点があり、鑑賞者が感情移入できる方法を使ったため『何を考えているか分からない娘』という感じがみえなかったのが原因だったかもしれない。

技術面では女優のイザベル・ファーマン自身が20代半ばなので技術的に遠近法で誤魔化して撮影をしていたが、次のカットは必ずといっていいぐらいに後ろ姿なので、逆に苦心して撮りましたよという所作が微妙な感じではあった。

購入をしたパンフレットの中面は赤と青の特色のみを使い、エスターの心理的な二面性を効果的にデザインであしらった仕様である。

[TOHOシネマズ 新宿 8:15〜]
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