まぬままおま

自転車に乗ってのまぬままおまのレビュー・感想・評価

自転車に乗って(2019年製作の映画)
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ブリリア短編。

自転車で移動することが、なぜパートナーとの出来事を思いだすことと共振するのか不明であった。パートナーは病を患っているから、病院に向かうための移動なのか?最悪の事態を予期しての思い起こしなのか?それならなぜ手紙をポストに入れようとするアクションがあるのだろう?

そんな疑問を抱えながらみていると、主人公・スコットが到着するのはアフリカ系の彼の元である。ここでも不明である。誰???と。しかしパートナーと彼の繋がりが明かされ驚かされる。このような関係を短編で描くのは凄いと思った。


以下、ネタバレを含みます。


その繋がりとは心臓移植である。パートナーは病死をした際にドナーとして彼に心臓移植をした。だからスコットは何度も手紙を送ってくれる彼に会いに移動していたのだ。

途中の自転車事故の傷とパートナーを喪失した痛み、彼の手術痕がイメージとして反復されている。彼が医学生であることは部屋に聴診器があることを準備させて、心音を聴くことに繋がっていく。

このように細部の描写も素晴らしいのであれば、スコットと彼が良き関係を築けるのは当たり前なのだ。