たく

私というパズルのたくのレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.7
Netflixオリジナル。
自宅出産がうまく行かなかったことによる感情喪失から周囲との人間関係がこじれていくマーサを描いてて、冒頭20分くらいの出産に至る長回しシーンがアルフォンゾ・キュアロン監督の「トゥモロー・ワールド」「ローマ」もかくやと思わせる迫力だったね。

愛情は溢れてるのに粗暴ですぐカッとなって部屋を出て行く夫をシャイア・ラブーフが好演。娘に自分の価値観を押し付ける毒親っぽいエレン・バースティンも、「レクイエム・フォー・ドリーム」の認知症キャラを薄めに引き継いでる感じで良かった。

出産後のマーサが感情をほとんど表に出さないのが観ててイライラしたのは作り手の意図なんだろうね。彼女が無感情で過ごす間に助産師を訴えたい周囲が勝手に事を進めていくのが怖かった。
マーサがリンゴの種を発芽させようとする理由が終盤で分かるところが泣けて、そこから彼女が出産を前向きに受け入れて母親との関係を再構築する流れにジーンと来た。
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