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緊急事態宣言のmanamiのレビュー・感想・評価

緊急事態宣言(2020年製作の映画)
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コロナ禍を受けて制作されたオムニバス。

1.デリバリー2020(中野量太)
生クリームの泡立て、手動はキビシイよ〜。毎年作ってるなら電動ハンドミキサー使おう?それか、せめて氷水につけながらにしたらいいのに。見てる方が疲れちゃうわ。
始まって割とすぐに「お父さんが帰って来る」の意味に気付く。こういうこと、きっとどこかで、もしかしたらあちこちで、起きてたんだろうな。

2.孤独な19時(園子温)
ソーシャルディスタンス50mって何よと思うけど、ほんの数年前までは日常生活でのソーシャルディスタンスなんて存在しなかったわけだしね。それが何十年も続くって、とんでもないな。
テレビで自粛を呼びかける政府の人間、マスク小さくて鼻出てるの、何の皮肉。
ナレーションも園子温。「協力」に岩井俊二ってあったのは何だろ?
斎藤工の、最後の一言が、きっと言いたかったことね。

3.DEEPMURO(非同期テック部…ムロツヨシ、上田誠、真鍋大度)
面白い!コロナ全く関係ないけど!面白い!
柴咲コウは、同じくコロナ禍であることを踏まえたオムニバス『今だから、新作ドラマ作ってみました』でも入れ替わってたよね。みんな柴咲コウになってみたいのか、それとも柴咲コウを他人にしてみたいのか。
脚本・上田誠だけあって、最初の伏線が最後にきっちり効いてくる、スカッとする構成。

4.ボトルメール(三木聡)
夏帆が演じるのは不適切な関係で干されて不安定な生活を送っている俳優、ただしもともとたいして売れてなかったよう。「もしも三木聡が世にも奇妙な物語を撮ったら…」的な、不思議で不気味な、フフフフな話。

5.MAYDAY(真利子哲也)
最後に突然のドキュメンタリー。
撮影者含め2人しか乗客のいない電車。幼くてマスクができない我が子のために車を購入する夫婦。三密を避けるよう呼びかけるアナウンス。オンラインでの入学式。コロナ禍以降のあれこれが脈絡なくリレーされていく。
PCにトトロいるし、猫の名前はチヒロだしっていう、ジブリファンの人いたね、しれっとさ。
それはさておき、後半でガラッとテンポが変わり、各国の料理や食事の様子を並行して映していくのが興味深い。
中国・ペキン、スリランカ・コロンボ、マウライ・ゾンバ、アメリカ・ブルックリン、ブラジル・リオデジャネイロ、南アフリカ・ソウェト、日本・東京、イギリス・ロンドン、ドイツ・シェーンハイヘ、韓国・ソウルなどなど。
朝、昼、晩。キッチン、食卓。目覚めのコーヒー、微笑ましい離乳食。ワンコも食べる、むしゃむしゃと、無心に。
前半のやけに能天気な日常レポートと、最後にとってつけたような人種差別云々は、ごっそり要らない。「コロナと食」というテーマだけで押し通した方が面白くなったのではないか。

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