カネコ

Summer of 85のカネコのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
4.5
彼との始まりから永遠の別れまで。
とにかく美しい2人の物語。

6週間362万8800秒の彼と過ごした時間を書く事で1985年の夏に閉じ込めた。

危険なプロットを観た後に監督のフィルモグラフィ見ててサマーオブ84に似てるタイトルあるなぁそしてポスタービジュアルがマイプライベートアイダホだなと気になっていたので鑑賞🎥

彩度の高い色遣いでエメラルドグリーンの海や赤いTシャツなどカラフルな80年代ファッションが映える。
舞台がフランスのビーチリゾートでRPGゲームMOTHER2に出てくるサマーズというビーチリゾートにそっくり🏖️

ダヴィドは”未来の死体”と明示されているので話の展開は最初から分かっているだけにその時が近づくのが切ない。

映画・遊園地・喧嘩からのケガの手当ての見せ方上手い。あんなん誰でもドキドキするわ。

ダヴィドは出会いからすげえ良いヤツに描写されていてアレックスがすぐに戸惑いながらも惹かれていくのが分かる。

ダヴィドがバイクの魅力を語る時の”スピードの彼方”という表現は”ピリオドの向こう”と同じ事かな。
あの曲の主人公もバイク事故だったね。
リリースは88年。80年代の10代のバイク観は世界共通。

クラブていうかディスコのシーン最高🪩
ロッドスチュワートのセイリングは75年リリースだからダヴィドのお父さんの趣味なのかな。
ウォークマンがさり気なくかつ印象的に出てきて小物使いの上手さを感じた。
これ見よがしに80年代っぽいアイテム出してる感が無くてかなり良💯
てかこのシーンラ・ブームのオマージュだった。オマージュ元よりドラマチックで素敵だった。

“どんなに愛しても足りなくてほんの一瞬も離れたくなかった”
“彼と2人でいる時も満たされなかった”

アレックスの紡ぐ言葉は純粋で一途で歳を取ると失われる情熱。すごく胸に刺さった。

ダヴィドの母ちゃんは最初からかなり強烈なキャラだったけど夫を亡くして睡眠薬が手放せない中お店の切り盛りをして必死に頑張っているんだと思うと、立て続けに息子まで失ってどこにもぶつけられない気持ちをアレックスにぶつけてしまうのは分かる。彼女もアレックスと同じように苦しいんだ。

墓の上でのダンスは”死を笑い飛ばす”と言っていたダヴィドのように笑える状況じゃなかったけど約束を果たす事、そしてダヴィドとの出来事を書く事でアレックスは85年の夏にピリオドを打つことが出来たんだと思う。

“これは君の物語じゃない”

お墓で死を笑い飛ばすのはマイプライベートアイダホでリバーもやってた。

ラストのアレックスはこれもラ・ブームのオマージュだった。

ED曲the cureのIn Between Days は正にダヴィドの気持ちを歌ったような歌詞だったと思うと切ない。

アレックスのお尻が超絶綺麗だったのでベスト尻オブザイヤーをあげたい🍑
カネコ

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