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マリー・アントワネットのカネコのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
4.5
最初から最後までソフィアコッポラ監督のセンスで統一された世界観が完璧でマリーアントワネットという悲劇の女王を1人の運命に翻弄された女性として描かれている🧁

ただひたすらフランスの王太子妃、王女としての役割つまりは“世継ぎを生み、育てる事”だけを求められ苦悩する10代。
子供が生まれてからは自分の好きな友人や好きな事だけに逃げこんで革命の足音という大きな不安から逃れ続け、最後は運命に身を委ねる。

BOW WOW WOWの“I Want Candy”が流れる中アントワネットが寝室までプライベートのない閉塞感と世継ぎのプレッシャーからストレス爆発でドレスや靴を買い漁るシーン。
マノロ・ブラニクデザインのお菓子みたいな靴の並びにしれっと一瞬映る水色コンバース👟このシーンが堪らなく好き💯

どんどん過剰に大きくなっていくヘアスタイルはアントワネットの心の不安と孤独に呼応していたんじゃないだろうか。

ちなみに以前マリーアントワネット物語展で当時のカツラのレプリカを被った事がある🚢
船の模型がついた体感1メートル位のかつらで頭動かす事も出来なかった。
あれでコルセットして踊ったりできる中世のフランス貴婦人尊敬する。

史実はあまり関係無くてソフィアの描きたかった事 はやっぱり少女の孤独と不安。

10代の少女に科せられた大国フランスの世継ぎを産むという大きすぎる任務と、外国に一人放り込まれた孤独と不安が最初のオーストリアからフランスに入る時、オーストリアの物を着ているものからペットまで全てを捨てるシーンではかなり繊細に表現されている。

義理の妹に先に子供が出来てしまった時に涙を堪えて一人部屋で号泣するシーン。
この時のイエローもドレスも美しい。

子供が生まれ、家族を描いた肖像画から子供が消されて描き直される事も、不倫相手とも束の間の恋も全て流されるままに時代に飲まれていった一人の少女。

ラスト民衆にお辞儀をするシーンも痛々しいまでに王女としてではなく一人の女性として描かれていた。

【プリシラ復習①】
プリシラ観て真っ先に思い出した今作を久しぶりに鑑賞。
大好きでDVDBOXで持ってる📀
やっぱり今作とプリシラには共通点が多かった。
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