無知A

TITANE/チタンの無知Aのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.8
今作は、女性の強さと弱さ、そして様々な愛が巧みな表現で描かれていた。内容としては、前半では自由奔放な様子が描かれるも、後半では、どれだけボロボロになっても産まれてくる子どもを守ろうとする姿が見え、非常に感慨深かった。ジェンダーが重要視されている現代で、女性という言葉で人を限定して言葉を紡ぐのも良くないが、敢えて言うなら、今作は女性の強さを余すことなく表現した作品だった。

作中では、幻想に溺れる男(親父)に対し、現在を生き抜く女性(主人公)と描写が目立ったが、男としてこれを否定できない自分がどこか情けなかった。他にも、男に対して容赦がないなと感じる描写は作中にいくつもあったが、的を得ていてぐうの音も出なかった。総じて、非常に考えさせられる作品だった。

正直、今作は万人受けはしない作品だと思うが、咀嚼すればするほど非常に味のある作品なので、私は敢えて万人に推したい。


(内訳)
面白さ 3.4
学び 4.1
構造 3.9
無知A

無知A