Maoryu002

ライムライトのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ライムライト(1952年製作の映画)
3.8
チャップリンによる人間ドラマで、アメリカで製作された最後の映画だ。

イギリスを代表する道化師だったカルヴェロ(チャールズ・チャップリン)は、老いて酒におぼれていた。ある日、自殺未遂したバレリーナのテリー(クレア・ブルーム)を助け、心に傷を負う彼女を勇気づけ再びバレエの世界に戻す。カルヴェロ自身はカムバックに失敗し舞台を降りるが、テリーの計らいで最後の舞台に立つことを決める。

チャップリンが老いた素顔で登場している時点で、それまでの映画とは全く違う印象だ。
酔いどれの演技は変わらないが笑いは封印され、チャップリンからの人間愛の訴えが心に響いてくる。

途中、カルヴェロの夢が彼の心を語っている。観客がみんな帰ってしまってたり、無償の愛を謳ったり。
それを見ていて、勉強していないのにテストを受ける恐怖の夢を思い出した。笑

チャップリン自身の想いなのだろうか、道化師としての没落と人生の終焉に向かう恐怖がカルヴェロの中に見え、「生きて悲しんで楽しめ」「人生は素晴らしい」と自分にも言い聞かせているように感じた。
しかし、チャップリンもカルヴェロも、この世に残したものはとてつもなく大きい。
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