トマは産院の火事によって、向かいに住むアルフレッドと取り違えられたと思い込んでいた。姉アリスに恋心を抱き、探偵になることを夢想するトマの家族は数々の不幸に見舞われ、大人になってもトマはアリスの姿を追い求めていた。そんなトマは老いて自分の人生を振り返り、ある行動に出る。
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督によるトマの生涯の物語。
構成が超ユニークで、なんともレビューの難しい映画だけど、これは観て感じるしかないし、感想も割れるだろう。
人生は悲劇と喜劇の積み重ね。どんなに情熱的でも空振りするし、どんなに悲しくても滑稽だったりする。
トマとアルフレッドとエヴリーヌの偶然のようで必然の関係の描き方も実に面白かった。
そんなトマの人生はずいぶん遠回りしたけれど素晴らしかったし、アリスと家族への愛情も、アルフレッドとの友情も本物だったということだろう。
お父さんの歌う “ブン！” が作品の雰囲気にぴったり！
