◆あらすじ◆
セルヒオは探偵事務所の高齢男性募集に申し込み、採用される。セルヒオは探偵事務所から老人ホームに潜入して対象となる人物の状況を探る任務を始め、入居者たちと交流を深めていく。
◆感想◆
老人ホームの入居者の実情を探るために潜入したセルヒオが入居者たちと交流を深めるうちに入居者たちのために仕事を超えた友情を築いていく姿を描いた作品であり、入居者の老人たちのそれぞれの事情とぬぐえない孤独感をセルヒオが理解していくことが本作の見どころだと思います。
セルヒオは探偵事務所の探偵として老人ホームに入所するのですが、その前のスマホや電子機器などの取り扱いに四苦八苦していて、高齢者らしい覚束なさがとても可愛く感じました。老人ホーム入所後、極秘のはずが老人ホーム内を手帳を持ってうろつき、メモしていてスパイらしくない緊迫感の無さが面白かったです。
紳士的で優しいセルヒオは入居者たちから人気になり、恋愛感情を持つ女性も現れてその純情さがうらやましく感じました。セルヒオは仕事で始めた交流だったのかもしれませんが、それから対処するまでずっと入居者全員に声をかけて回る姿は彼自身の善性を示していたと思います。
ただ会うだけで、その姿を目にするだけで幾年もの孤独感を癒すことができるのだから、会いたい人には少しでも時間があるなら会いに行ってみようかなと思わせる作品になっていました。観てよかったと思います。スパイ要素はあまりないので、そのあたりは期待しない方がよいと思います。
鑑賞日：2024年4月1日
鑑賞方法：Amazon Prime Video
