椿本力三郎

バビロンの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.3
まず3時間は決して長くないです。
私は、中だるみも感じなかったし、
前半と後半のテンションの違いも気にならなかった。

1920年代の映画の産業としての変化(サイレントからトーキーへ)
そこで生じるカオスと狂気を
極端な「誇張と省略」で表現しているのだが、
露悪的であり、下品さすら感じさせる。

「セッション」と「ラ・ラ・ランド」であれば、
情念のレベルで人間の内面をえぐってくる感じは
「セッション」的な要素が濃く、
デイミアン・チャゼルらしい作家性を感じた。

この世界観を見事に受けきったマーゴット・ロビー万歳。
日本映画の女優でここまでぶっ飛ぶことができる女優っているだろうか。
ブラピも良かった。
ちょうど「テルマ&ルイーズ」を見返したところだったから、
ブラピの渋さと深化を確認することができた。

チャゼルらしく音楽がカッコいいので
ぜひ映画館で見るべき。