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ファーストラヴのえくりぷすのレビュー・感想・評価

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
3.5
島本理生の同名小説を映画化。

大学生の聖山環菜(芳根京子)が父親を殺した罪で逮捕された。彼女は殺人を認めたものの「動機はそちらで見つけてください」と供述した。公認心理士の真壁由紀(北川景子)と弁護士の庵野迦葉(中村倫也)は真相を探るべく、接見を重ね関係者に会い彼女の人生を紐解いていく。

幼少期に受けた性被害がトラウマとなっている。それは殺人事件の容疑者の環菜だけではなく、真実を追求し容疑者を助けようとする由紀のなかにもある。

性加害者の心理も性被害者の心理も真に迫っており嘘くささがない。

その一方で公認心理士である由紀と弁護士の迦葉が大学生の頃付き合っていたのに、由紀は迦葉の従兄であり実の兄弟のように育った我聞と結婚しているというのは、現実にありえないとまではいえないが浮いていた。

由紀と迦葉は現在は恋人同士ではないものの心を通わせており、そのことを嫉妬せずに我聞が受け入れているというのも、女性が思い描く理想の男性像すぎる印象だった。

また迦葉(かしょう)という名前も特殊すぎて、心理描写が丹念で真に迫っているだけに、そこだけ作り物めいて感じられてしまった。
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