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一度死んでみたのえくりぷすのレビュー・感想・評価

一度死んでみた(2020年製作の映画)
2.5
野原七瀬(広瀬すず)は母(木村多江)を亡くし父の野原計(堤真一)と二人暮らしをしている。野原計は製薬会社の社長で若返りの薬"ロミオ"を開発しているが、機密情報がライバル企業が漏洩していることを感じ、スパイを炙り出すため一時的に死ぬ薬"ジュリエット"を飲む。野原計が生き返る前に火葬しようとするライバル企業と、火葬される前に生き返らせようとする七瀬の戦いが始まる。

予告編の数分だけでデスメタルに対する"誤解と偏見"に溢れていてメタルを愛するメタラーなら怒り出すだろう。

野原七瀬はデスメタルバンドのボーカルという設定だが、デスボイスを使っておらずメタル風のロックorアイドル曲といった感じ。ヒャダインによる楽曲「一度死んでみた」は語尾に「デス」をつけるところがBABY-METALの安易なパロディである。この"誤解と偏見"は一貫していて"理系"の描き方も"オタク"の描き方もステレオタイプである。

俳優・広瀬すずとしては清純派や美少女キャラからの脱却を狙っていたのかもしれないが成功しているとは言い難い。

では、まったくダメな映画かといえばそうでもない。メッセージも主義主張もリアルな心理描写もないが、テンポがよく伏線もしっかりしているので、何も考えないで見られ見終わったあとに何も残らない娯楽映画として割り切って見れば決して悪くない。
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