あんなにたくさんのものを背負わされて、あの子はこの先も踊り続けられるだろうか
とても男くさい物語に思えた。
あの角を曲がるまでと、傷だらけになっても走り続けて、その先になら新しい自分がいると、新しい肉体新しい気持ちでまた走り続けられるんだと、まるで終わらない悪夢。あまりにも痛々しい。
それが望まぬ肉体に生まれた人間の生き方なんだと言われたら、
それはそうなのかもしれない。
理解を超えたところにある生のあり方を私は手繰り寄せることが出来なかった。
あれ?白鳥は何のために踊っているんだったっけ。瀕死になったのはどんな呪いのせいだったろう。途中から分からなくなった。
分かることはただ一つ、新宿をヒールで闊歩する女たちはみんな、あんな風に堂々と肩で風を切っているということ。
その人生の歩み方を私は否定したくない。
ただ、そんな風に生きようとしてみんなボロボロになっているのだとしたら、それはあまりにも辛いことだと思う。死に急ぐような身体への負荷が無ければあんな風に歩けないのだとしたら、それはあまりにも痛々しい。その痛みを知るための物語なのだとしたら、これだけの反響のある映画になったことはきっと意味がある。物語の少女の青春と憂いのない明るい未来を犠牲にしただけのことはあると思う。