なっこ

夢のなっこのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
4.0
家にVHSがあったので複数回見た記憶がある。私の中ではおとぎ話のようなレベルで受け入れてしまっているstoryなので批判的に見ようとは微塵も思わない。

ただ懐かしさがあるだけ。

以前ゴッホが登場する部分をYouTubeで確認したけれど、今回は久しぶりに通しで見た。そうすると、幼い頃はやはり子どもの視点で描かれている最初の2話をよく見て記憶していたこと、そして最後の名前のない村の葬列のシーンがそれまでの暗い話続きのおかけで一段と明るく晴れやかに感じることが再確認できた。

富士山の噴火と原発の爆発、このシーンがあの日、3.11の後の原発の報道があったときに直ぐに想起されたのはきっと私だけではなかったろうと思う。

こんな“夢”を見た、と最初に断られてしまうと多少荒唐無稽でも受け入れざるを得ない。それでも全てのお話の根底には彼の自然や世間に対する考えがはっきりとあるように思えてならない、上手な仕掛け。そして、最終話の明るさに救われる。子どもの頃の感受性で無防備に受け入れているだけなのかもしれないけれど、私も長生きしてその生を全う出来たならあんな風に送り出してもらいたいと思ってる。あの美しい村がその前の数話に描かれた現代人の欲望の限りを尽くした結果散々な有様となった地球の、遠い遠い未来なのだとしたら、希望があるなと思う。
なっこ

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