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ナイン・デイズのyumeayuのレビュー・感想・評価

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)
3.5
"大地に思いをはせたことは"

荒野にぽつんと建つ小屋に住むウィルは、人々の人生をモニター越しに見ている。
ある日、その中の1人が死を迎え、地上に新たな空きができた。ほどなくして数名の候補がウィルの元に現れる。地上で生を受けることができるのは選ばれた者だけ。選考期間は最長で9日間。ウィルは彼らの適性を見極める始める…。

今作の舞台となっているは、日本人的な感覚で言うと、いわゆる三途の川のような場所なのであろうか。あの世とこの世の境目的な。

そんな場所でウィルはひたすら毎日、モニター越しに他人の人生を見つめている…。
この世界は世知辛く、優しい人ほど損をする世界かもしれない。ウィルはモニターを見つめる日々の中で、どこか諦めというか、突き離して見ている感があった。
しかし、候補者の中のひとり、エマという女性と出会ったことでウィルの人生観に変化が訪れる…。

魂の候補者を見極める9日間なのだが、実はウィル自身が自らの存在を見つめ直す時間でもあった。

作品としては、あらすじの通りに哲学的でスピリチュアルな側面が強く、一度見ただけでは全てを理解するのは難しいが、一方で見る人によって色々な解釈ができるとも言える。
日々の生活に疲れている時に見ると、結構やられちゃうかも。
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