KnightsofOdessa

完全な候補者のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

完全な候補者(2019年製作の映画)
2.5
[完全な候補者たちと不完全な映画] 50点

全ての女性候補者が女性の声を代弁してる訳じゃねぇ!という流れは確かに面白かったが、結局は政治ドラマにも親子関係にも姉妹関係にも伝統と革新(主に音楽が使われる)にも踏み込めず、浅いとこでウロウロしている中途半端さがそのまま浅めのエンタメに変わり、その薄っぺらさが終始邪魔で仕方がなかった。"お母さん、元気ですか?車は運転できるようになったけど、そこから先はまだまだ先です"というキキみたいな手紙の朗読でも聴こえてきそうな達観した感じは呆れにも聴こえて、まだ遠い道程を眺めながら、溜め息をついているようだった。それ自体は面白い視点だ。

ラストで主人公に助けてもらったじいちゃんが掌返して褒めちぎるとこ、キモすぎてキレそうだった。そこまでは色々擁護するつもりだったけど、そのシーンをラストに持ってくるあたり、マンスールの幻想でしかないこの奇妙で気味の悪い希望が達観した呆れと一歩ずつ踏み締めていこうという決意に泥を塗る。てか、こんなんでヴェネツィア行けるんすか…"巨匠"の最新作ばっかりだったもんね。
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