本好きなおじぃ

シン・ウルトラマンの本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.4
なぜか日本にだけ現れる禍威獣(かいじゅう)に即応すべく、立ち上がった禍威獣特設対策室・通称「禍特対(かとくたい)」。
禍威獣が現れる度、行動特性を分析しながら対応していく禍特対チームであったが、電気を食う禍威獣には攻撃がきかず対応に苦慮。そんなとき現れたのは、銀色の巨大な人間っぽいシルエットをした物体で、いとも簡単に禍威獣を倒し、また空へと戻っていった。
その物体は、分析官の浅見が名付けたところでは「ウルトラマン」となった。
続いての禍威獣が現れた際、禍特対メンバーは間近でウルトラマンの闘う風景を目にするが、そのときのウルトラマンへ変身する動画が広く公開されてしまい、そこに写っていたのは、なんと禍特対メンバーの神永だった。
神永がウルトラマンだと知れると、途端に掌を返したように日本国はウルトラマンを利用しようとするが、そのときウルトラマンが横田基地を攻撃し、神永への不信感が一気に高まる。
そんな中、外星人のザラブが禍特対メンバーに、宇宙の技術供与の交渉を持ち掛けてきた。神永は、これを日本に不利な契約だと突き止めるが、ザラブに連れ去られてしまう。一方の禍特対メンバーは、横田基地のウルトラマンが偽物なのではないか、神永はまだ人類の見方なのではと疑いながら、一行が打った次の手とは。

ウルトラマンは割と勧善懲悪なイメージであったが、この映画では勧善懲悪でもあるが、どちらかというと日本人や人類が、未知との遭遇にどのように立ち向かおうとするだろうか、という現代的で実験的な作品なのではないだろうか。そのせいか、いろんなところに遊びが施されていて、ウルトラマンの原型をとどめていないようにも思える。
禍特対メンバーの即応性はリアリティがあり実際にもこの流れで進むのではないだろうかと思わせる勢いがある。まぁ人数が少ないのはリアルに欠けるかもしれないけど。
そして、ウルトラマンやザラブ他外星人に翻弄される官邸も、世界の様子も、想像に難くない。難くないが、その想定される動きを文字に起こすだけでもおそらく一苦労だったと思う。そのくらい面白かった。

一方、長澤まさみ演じる浅見にちょっとエロ要素を持たせすぎ?と思ってしまう部分もないではない。ヒップを強調したカット、奮起するときにお尻を叩くしぐさ、下着が見えそうなギリギリの位置まで攻め込むのもあったが、面白いことは面白いけれど、本編の謎解きや神永の対応に少し集中したかったのも本音。