むらむら

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
こんにちは。毎号楽しく拝見しています。

今月号で廃刊ということで驚いて、思い切って感想を送らせて頂きました。

まず、表紙裏に載っていた、編集部のある建物の写真。驚きました。編集部、エレベーターの無い建物の五階にあるんですね。編集者の方も大変でしょうが、毎日ランチと珈琲運んでくる一階のレストランのお兄さんも大変なんだろうな、と同情してしまいます。

巻頭カラーの自転車での街レポも、楽しかったです。編集部のある、アンニュイ=シュール=ブラゼの街の息吹を、私も感じることが出来ました。スリや売春婦、男娼、そしてネズミにも出くわしちゃうなんて、ちょっと刺激が強すぎる気もしますが、私もこんな素敵な街だったら、旅してみたいです(もちろん、コロナが終わったら、の話です)。

フランスにはもう一つ、アングレームという素敵な街があるみたいなので、両方とも行ってみたいな、ってのは欲張りですかね(笑)。

続く3つの特集、どれも大変濃い内容で、読み終えるのが勿体ないくらいでしたよ!

刑務所の話、いきなりヌードグラビアなので、お母さんに見つからないかと思わず焦ってしまいました(汗)。女性の全裸をマジマジと観るのは初めてだったので、ちょっとびっくりしましたが、モノクロだったので、イヤらしい、という感じはなく、美しいと感じました。

そして、次のページにカラーで載ってた絵、囚人が描いたんですね! 私には散らかった錦糸卵にしか見えなかったです。あれがフランスでは芸術なんでしょうか!? うーん、私には分かりません。

見開きページの大乱闘も迫力がありましたね。この写真、まるでストップモーションのように躍動感あるけど、どうやって撮ったんだろう? 次号で教えて欲しい、って書きかけたけど、廃刊なんですよね……グスン。

二本目の特集は、学生運動の話でしたね。

学生指導者の男の子が、まるで遠い惑星の王子様のようにイケメンで、私も、ファンになっちゃいました(爆)。バスタブに入るとこなんて、もう、「キャーっ!」って感じでしたよ。ライターさんの思い入れの強い記事だったので、ライターさんの精神状態がちょっとだけ気になりました。雑誌社の看板に火をつけたりしないか心配です。

最後の特集は食レポかと見せかけて、不意打ちで犯罪モノでしたね。警察のみなさんと誘拐犯たちの捕物劇に超・超超超興奮です。

モノクログラビアの食レポも良かったですが、後半の大捕物のコミック、手に汗握り、ページを捲るのもモドカシイ。ハラハラしながら、楽しませて頂きました。

フランスといえば「アルセーヌ・ルパン」が有名ですが、日本には「ルパン三世」というアニメがあるんですよ。知ってますか? 私、女だけど、このアニメ大好きなんです。なんか私、ちょっとだけこのコミック読んで、「ルパン三世」思い出したので、良かったら読んでみて頂きたいです。実写映画はアレですが、アニメは最高ですよ!

以上、今号で廃刊になるのが信じられないくらいの、素敵で、愛おしくくて、抱きしめたくなるような内容でした。

編集長の方が亡くなられたことが、廃刊の理由だということですが、編集長、こんな素敵な雑誌を、長年に渡って作って頂き、ありがとうございます。すっごく感謝してます。あ、編集長の若い頃の写真、「ゴーストバスターズ」って映画の主人公に似て、イケメンですね!

P.S. 巻末の付録にあった歴代の表紙をパラパラとめくりながら、色々な記事を思い出して、なんでか分からないけど涙が溢れてきました。

私は映画も大好きなのですが、私が通ってた映画館が閉館してしまったときも、確か同じような気になったのを覚えています。その映画館で観た色々な映画は、いまでも、私の宝物です。

雑誌が無くなってしまったのはとっても残念ですが、地球の裏側にいる私の中に、「フレンチ・ディスパッチ」はいつまでも残り続けます。

とっても素敵な作品をありがとうございました。

(おしまい)
むらむら

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