このレビューはネタバレを含みます
金に困窮したアルコール中毒で映画監督の父とその息子の不思議な愛の物語。
無声映画の懐かしみを感じるノスタルジックな世界観は夢や絵本の世界のようで好きだったが、今作の魅力であるその世界観がインパクト不足で中途半端さを感じてしまった。
好きなことに没入した結果妻を失ったビクトルは亡くなった妻の面影に囚われ続けるようになるが、自身と向き合った事で父親として本当に大切な息子という存在を再認識する。
作品作りであると同時にビクトルの心の成長でもあった。
そんな父を子供ながらに支える良き理解者イングマール。
彼の達観したものの見方と、父の自堕落さに必然性を感じつつも新鮮味があり二人の関係性には面白味があった。
だがやはり空想世界も含め全体的に何処か吐出した部分が欲しかった。
んー、、、といった感じの作品だった。