椿本力三郎

ロマンスドールの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
3.5
蒼井優出演作品は
ほとんど観ていますが、
「百万円と苦虫女」は
蒼井優の魅力を最大限に引き出していると思うのね。
この作品はその「百万円~」のタナダユキ監督と蒼井優が組んだもの。
客単価2000円前後の下町の居酒屋で
楽しそうに笑うシーンがあるのね。
蒼井優はそういう場でこそ映えるの。
長澤まさみちゃんじゃ、浮いちゃうのよ、
華が強すぎて。
まさみちゃんがその居酒屋にいたら
他の客も店員も緊張しちゃう。
「宮本から君へ」の蒼井優も居酒屋だったけれども
気取ったフレンチレストランじゃないのよ、
蒼井優の魅力は。
タナダユキはとてもよくわかっていると思う。
素敵で前衛的な人形メーカーが
ストーリーの舞台。
人生を背負っちゃった職人役のきたろう、上手かった。
渡辺えりの安定感。
高橋一生の脱力感と「まばたき」は好きだな。
あと、お帰りなさい、ピエール瀧。
零細企業とか、反社会的勢力とか、
「リーダーが腕力でなんとか押さえつけている弱小組織」のトップ役をやらせるとピカイチではないかな。
一時間半くらいまでは
とても良かったけれども
終盤30分で完全に失速したのが残念。
その部分はストーリー的にも完全に蛇足。
90~100分くらいの短編映画にまとめておけば
良かったのではないか、と。
駅の階段でギリギリ再会するシーンに
「百万円と苦虫女」を想起した。