本好きなおじぃ

天気の子の本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.5
島に住んでいた少年・穂高は家出をして東京都心にやってきた。あちこちを転々としたあげく、船上で助けてもらった須賀の編集事務所に転がり込む。
様々な仕事を経験する中で、「晴れ女」の伝説にたどり着く。東京でその女子がいないかどうか探しているうちに、転々としているときに出会った、食事を恵んでもらった、陽菜が、風俗のスカウントマンとともに歩いているのを見かけ、思わず止めに入ってしまい、穂高は陽菜からひんしゅくを買いつつ、穂高と陽菜で結託して「晴れ女」ビジネスを始めることにする。
晴れ女ビジネスによりたくさんの場所で晴れにしていく2人。ところが、晴れ女は陽菜の体にある効果を生み出してしまうことがわかり。

あるきっかけで天気を左右してしまうという能力。
現代社会にあったらとてつもなく便利で、お金を生み出せる機能に違いない。しかし、常に晴れだった場合には水が渇ききってしまい作物が育たなくなったり飲料水が枯渇するなどの影響がありうるだろう。天気を左右するということは、それだけ大きなことだ、ということはいま環境問題に直面している私たちにとってはわかりやすい。
それを一人の少女が獲得してしまった。
人々に知られた時のその状況もこの映画で語られるが、それを持った少女の心境はいかばかりか。

一人の人柱の犠牲によって全員が助かるのならそれがいいんじゃねぇか、という須賀のコメントも現代社会に突き刺さる。
誰かが犠牲になればいい、誰かがやってくれる、そう願っている日本人それぞれに訴えたいものがあったのではないか。

人柱となってしまった陽菜は、途中で消えてしまう。
穂高は陽菜を救うことができたのか。そして世界はどのように変わっていってしまうのか。