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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

4.5





“俺か?失敗のチャンピオンだ”
“大事なものを全て失った”










控えめに付けてスコア4.5。
その理由を語るとキリがない程に良さが詰まってる、、、色々と、、、




先ずは元ネタがTRPGというヲタ感強めなコンテンツを、良くぞここまで大衆向けにわかりやすく、且つどちゃくそ面白く作り上げてくれましたと言うのが観終えた後の素直な感想。

【RRR】に匹敵する超娯楽エンターテインメント映画の一つとして推し作品にランクイン。

【RRR】ほど度肝を抜くような斜め上をいくアクションではないにもかかわらず、脳筋ムービー枠に甘んじずしっかりとした脚本や設定やロジック、ご都合主義にならないようなファンタジックなルールまでもきっちりと作中で説明される為、観る側も突っ込むどころか没入感に満たされていく満足度。


ボーっと観るにも丁度いいし、メタやカタルシスを捉えながら観るにも持ってこいの極上娯楽作品のうちの一つと言っていいんじゃないかな。

特に、【GoG】にも似た要素の一つ、世間的にはならずもの(邦題で言うアウトロー)たちのマイノリティが、一丸となって奮闘する一連のシーケンスに始まり、特に優れたアビリティを持ってはいないが何故かリーダーとしての資質を認めざるを得ない主人公エドガンの、自らの“弱さ”を曝け出して仲間の信頼を得る件(くだり)については、カタルシス以外の何ものでもない。
我々の社会生活においても大いに当て嵌まる教訓として脳裏に焼きつく演出と感じる。

そんな各々のアビリティについても、
主人公以外はなかなかチート級の能力をそれぞれに持ってはいるものの、これが前述した通り、全然ご都合主義じゃないのも素晴らしい!
ストーリーに沿って、きちんとしたルールによってその能力を封じ込められたり、はたまたそれを解除できたり、ジャンケン要素で比較的どの能力にも利点と弱点が備わっているのも安易な能力設定にしていない事が感じ取れる。


次に映像美。
ファンタジックな世界観は言わずもがな、出てくる動物系キャラクターがとにかくどれも素晴らしい!
独特の個性や可愛らしさ、力強さ、優雅さ、繊細さを緻密に表現している上、それぞれの動物達の個性(アビリティ)もまた、物語の中で存分にその力を利に変えて存在感を示してくれる。



ああ、楽しい。
ほんとこう言う演出って自然と笑みが止まらなくなる楽しさがあるよね。





更にこの作品には要所要所にちっちゃな小ネタやギャグ、そして伏線回収をばら撒いてくれているスルメ感が旨みとして詰まってる点。
上げ出したらネタバレ必至な上、相当な数になるので抜粋するが、一つだけ個人的にブッ刺さった伏線回収アイテムは、

“じゃがいも”

コレ、最初とクライマックスでかなり上手に伏線回収してるよね。
ミシェルロドリゲス最高やん!ってなる。



そんなミシェルロドリゲスのオハコ芸である強靭フィメール戦士は安定の格好良さだし、動物七変化アビリティを持つドリック役のソフィア・リリスもめっちゃキュートで格好良い。
クリス・パインやヒュー・グラントもハマり役だし、実は影の主人公じゃね?って位「がんばれ!」と応援したくなるのが、ジャスティン・スミス演じるサイモン。

どの役者も、キャラクターにしっかりハマっていたのも、違和感なく最後まで楽しめた理由のひとつとして大きいかも知れない。



【ロード・オブ・ザ・リング】や【ハリー・ポッター】のような長編スペクタルファンタジーを観ようとすると、結構身構えるが、本作ならサクっとエンタメを楽しめるので映画慣れしていない人にもオススメし易い作品と言えるなぁと。
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