HAYATO

バスターのバラードのHAYATOのレビュー・感想・評価

バスターのバラード(2018年製作の映画)
3.8
2024年147本目
Only on Netflix
『ノーカントリー』のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が製作・監督・脚本を担ったオムニバス西部劇
表題作の『バスターのバラード』をはじめとするバラエティ豊かな6話構成。
第75回ヴェネツィア国際映画祭脚本賞受賞。第91回アカデミー賞脚色賞、歌曲賞、衣装デザイン賞ノミネート。
『127時間』のジェームズ・フランコ、『96時間』のリーアム・ニーソン、『オッペンハイマー』のデヴィッド・クラムホルツ、『イニシェリン島の精霊』のブレンダン・グリーソン、『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』のゾーイ・カザン、『ハリー・ポッター』シリーズのハリー・メリングらが出演。
本を読み進めるかのように展開されていく物語。各エピソードの前に挿絵と短い文章が示されるので、それが意味するものが後にどのように表現されるのか予想しながら楽しめる。
銀行強盗や興行師、金を掘る老人などさまざまなタイプの人物が主人公となり、西部に生きる彼らのそれぞれの運命が綴られていく。コーエン兄弟らしくブラックかつアイロニカルなユーモアを散りばめ、1話ごとに短い時間でなんとも言えない「無情さ」を抜群のキレ味で描いている。
個人的なお気に入りは第1話。主人公のバスターは、クレイジーで陽気なカウボーイ。馬に乗ってギターを弾き、カメラ目線で観客に話しかけたかと思えば、イーストウッド顔負けの早撃ちと奇策で容赦なく相手を殺す。笑いあり暴力ありミュージカルあり。あまりにも呆気ないバスターの死に驚つつも、非常に魅力的なキャラクターでとても気持ちの良いお話だった。
最近はピンでの活躍が目立っているコーエン兄弟だけども、イーサン単独監督第2作『Honey Don't!(原題)』の後に、共同でホラー映画を手掛ける予定だそう。果たしてどんなホラーに仕上がるのだろうか。
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