HAYATO

スターシップ・トゥルーパーズのHAYATOのレビュー・感想・評価

4.0
2024年176本目
人類vs昆虫型生物
『ロボコップ』のポール・バーホーベン監督が、ロバート・A・ハインラインの小説『宇宙の戦士』を実写映画化したSFアクション
民主主義が崩壊した近未来。人類は凶暴な巨大昆虫型宇宙生物の襲来に怯えていた。高校を卒業したリコは、兵役を経た者にしか与えられない市民権を得るべく、進学を願う両親の期待に反し軍に入隊。機動歩兵隊に配属された彼は、基地での猛訓練を通じリーダーシップを発揮、次第に頭角を現していくが、訓練中に不慮の事故で仲間を死なせてしまい、除隊を決意する。そんな矢先、昆虫型宇宙生物の襲撃によって故郷が壊滅したことを知った彼は、仲間たちとともに壮絶な戦いに身を投じていく。
『スリーピー・ホロウ』のキャスパー・ヴァン・ディーンのほか、『ソウ』のディナ・メイヤー、『ラブ・アクチュアリー』のデニース・リチャーズ、『アイデンティティー』のジェイク・ビューシィ、『ゴーン・ガール』のニール・パトリック・ハリス、『ショーシャンクの空に』のクランシー・ブラウンらが出演。
1億ドル以上の巨額の資金を投じて製作されたが、5400万ドルの全米興収を上げるにとどまり、興行的には失敗作とみなされているが、多くの熱狂的なファンを生み出した作品だ。残虐なゴア表現や男女混合のシャワーシーンなど過激な演出が盛り込まれているため、見る人を選ぶ映画かもしれない。
監督やプロデューサーによれば、本作はナチス・ドイツのプロパガンダ映画『意志の勝利』のパロディ映画で、ファシズムやナチズムへの皮肉が込められている。それを象徴するかのように劇中では時折プロパガンダ映像が差し込まれ、軍国主義に洗脳された若者たちが軍に命を捧げようとする姿をかなり極端な形で映し出している。しかし、一部の観客にはその皮肉が通じず、ファシズムを礼賛しているとの非難の声が上がってしまったそう。
容赦なく人体が破壊される戦闘描写は衝撃的かつ迫力満点。地球連邦軍が敵の主星へ降下して初めて戦うシーンは、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の記録映像を参考にしているらしい。
『ジュラシック・パーク』で開発したコンピューターをさらに発展させて作り上げた昆虫型生物のビジュアルも強烈であり、ギレルモ・デル・トロがいかにも好きそうな恐ろしさだった。『バグズ・ライフ』の虫たちの真逆。
IMDbのトリビア欄に、「スターシップのブリッジの裏側に、ミレニアム・ファルコンのミニチュアが見える」って書いてあったけど本当なのかな。
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