白雨

ふたりの女王 メアリーとエリザベスの白雨のレビュー・感想・評価

4.0
歴史の記憶も薄れていてほとんど予備知識無く見た。時代を感じさせるような衣装や豪華なのだろうけれどそれほど華美にはならない、重々しさのある宮廷の建築調度が良い。それから、異なる主張、宗教、境遇をもつ人物が対照的に描かれているのに、一方の立場から他方を批判する形ではなくてどちらにも選択行動の理由があって、同じように人として理解できるような豊かな感情と共に生きていたのだということ、記録上の人物でしか無かった存在が、ちゃんと温度をもっていて確かに生きた時代があったのだということが感じられた。一方的に幽閉したっていう偏見があったけれど、その裏に本当にこんなに複雑で切ない感情があったのだとしたら、単純に古い王政の時代の残酷さだけを表面的にみるのは勿体無かったなと思う。
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