椿本力三郎

サタデー・フィクションの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)
4.1
見終わった瞬間に「時間をおいてもう一度見よう」と思った作品。
真珠湾攻撃前後の各国のスパイの情報戦の攻防。
そこに個人的な感情も大いに絡んでくるので、
裏切りに裏切りが重ねられて人間関係が複雑。
さらに劇中劇が絶妙に入り込んでくるので前半の1時間は
情報量の多さと複雑さに圧倒される。
しかし、後半の展開と伏線の回収が見事で
全部をトータルで見たときに「ああ、そういう意味だったのか」と
細かい所作やセリフの「本当の意味」が見えてくる。
宮沢りえ主演の「月」でもオダギリジョーは「弱くて頼りない」役であったが、
本作でもそういう立ち位置であった。
この弱さや隙を上手くつかった演技は、オダギリジョーの魅力を若い時よりも倍増以上にしている。
今後も彼の出演作は追いかけていきたい。