松井の天井直撃ホームラン

あいあい傘の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

あいあい傘(2018年製作の映画)
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↓のレビューは、以前のアカウントにて鑑賞直後に投稿したレビューになります。

☆☆☆★★

本来ならば、都内だとスバル座あたりでの1館興行でのロングランで、ジワジワと評判を上げて行くのに相応しい内容の作品では?と思う。
それがシネコン最大手のTOHOシネマズにての大興行。しかも観たのは東宝旗艦の日比谷1番スクリーン。

「無謀にも程が有る!」

予想通りに場内はガラガラ。人情話の佳作だと思うのだか、これではその良さが伝わる前に早期打ち切りの可能性が大。
全くもって勿体無いと言うしか無い。

始めに《人情話の佳作》と書き込んだものの。映画が始まってからの前半部分は、正直言って苛々する箇所が多かった。

その理由の最たるところは。主演の倉科カナが、周りに対して、どこか自分勝手に振る舞うところ。
彼女を中心として、市原・高橋・やべの。狂言回しにあたる3人の関係性が中々良いのですが。その温かみの有る雰囲気を、この主人公は土足で平気に掻き回す。
尤も、もしも私が本人の立場に立ったならば。一体どんな態度を取ってしまうのか…。
少なくとも、25年と言う月日の長さを鑑みれば。本人と同じ態度を取ってしまうのかも知れないのだけれどΣ(-᷅_-᷄๑)

原案・脚本・監督は俳優の宅間孝行。

俳優出身と有って、一体どの様な演出か?と、ちょっと注目はしていた。
これは意外なと言っては本人に失礼か。なかなかの演出力で…と言いつつ、パンフォーカスを必要以上に使うのには、少しばかり苦笑せざるを得ないところでは有りました(u_u)
まあ、文句を言う程でも無いですけどね。
でも意外にも画のしつかりとした作品になっているのは収穫。
俳優達とカメラとの位置関係が、テレビドラマとは違い。映像作品としての美しさが有った…と言っては、褒め過ぎかも知れないけれども(^_^;)
宿屋で倉科と市原が話す場面等は、その画面の作り方が、オーソドックスな日本映画を彷彿とさせるし。印象的だった居酒屋での長廻し等、今後も注目して行きたいと思わせてくれました。

2018年10月28日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン1