めちゃくちゃホラーなテイストも特に後半はあるけど、一周まわって楽しんだ。
もう文字通り狂女なんだけども。
ショットが強烈であまりに良くて、序盤で傑作だと確信してしまった。
内容より映像が素晴らしくて、それだけで十二分。
感情移入するように観るのは明らかに対極にあるべきスタイルであり、ただし根底にある精神性は理解が及ぶものである。
愛の揺るがぬ絶対性や加害性の可視化が非常に巧い。
愛なんて説明できるものではなく、むしろ本能的によるところが大きい。とはいえ、その自堕落さにある種自覚的であり、それでも愛を貫く。
だからこそ、人間の嫌なところを顕著にするわけで。
現実では信じたくないあたりを含め、極めて映画的なのである。
愛や情を善悪で片付けられれば、人間楽なのにね、それは絶対に不可能。
でもそれによって人生の価値がもたらされる部分もあるはず。