いやはや素晴らしい。
叙情的で、感動。
決して映像が訴えるものが多いわけではないが、自然な感情の発露は確かなるエネルギーを持つ。
純粋無垢な小さな義妹の存在がコントラストになり、少年の葛藤と情動の輪郭がより鮮明に。
しかし、この妹がなかなか物分かりがいいわけで、そもそも少年の言動の根本は十分理解できるものである。
本能的にある母という存在の唯一無二性と、それを許さぬ現実の過酷さ。
鬱積した感情の爆発の強烈さなかなかのものである。いささかバイオレンスが凄まじいが、鳥肌ものだった。
呼称が持つ精神性。
思春期の男児にとってみれば受け入れがたいドラスティックな環境の変化。
作文を経て何かを乗り越えたようであるが、お母さんと呼ぶことによって実母の存在がちらつくのだとも思ったり。