春とヒコーキ土岡哲朗

アナと雪の女王2の春とヒコーキ土岡哲朗のネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分の力のために一人で進むことを肯定してくれる歌。

人と違う個性の話、第2章。

前作では、エルサの魔法が人に恐れられ、嫌われ、エルサも他人との関わりから逃げた。一人で力を発散することに喜びを感じるが、それを皆のために使うことで、自分の力に誇りを持つことができ、周りも認めてくれた、というお話。
人と違うことをコンプレックスに思うけれど、それは唯一無二の個性で、それを使ってこそ人と渡り合う武器になる、というメッセージ。

今回は、自分だけの個性なら、それを極めるために皆を置いて行って挑戦するべきなんじゃないか、という話。
エルサは自分を呼ぶ声を聞く。皆と調和できるようになったのは幸せだが、声に従って、選ばれし者にしか見えない世界に突入したい、というチャレンジ精神が芽生える。気を遣う姉・女王の立場で上品な彼女でも、自分の力を発揮できる方に舵を切るべきだという、作り手からの力説。

最後は、元の国はアナに任せ、自分の居場所=魔法の森を守ることにする。そこそこ頻繁に会えるようなので離れ離れの寂しさはないが、次のステップに行く別れの話となった。
最近のディズニーは繰り返しこのテーマを扱っている。仲間と共に進む物語ばかりでなく、仲間と離れてでも自分を極めに行く向上心を持て、というメッセージ。居心地のいい現状にしがみつくのでなく、勇気を持って一人でも次の環境に踏み出そう。

大画面で見たい歌のシーン。
序盤でエルサが歌うメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」が良い。前作の「レット・イット・ゴー~ありのままで」の場面と似た、悩ましい状況にも関わらずエルサが力の解放を本能的に喜んでいて、楽曲もポジティブな音色でそれを肯定している。映像も幻想的で、家のテレビ画面でも別世界に行けた楽しさがあるが、映画館の大画面で見たらもっとすごかったはず。