manami

光と血のmanamiのレビュー・感想・評価

光と血(2017年製作の映画)
-
かなり鬱陶しいタイプのいじめを受けているあかりと、彼女を気にかける同級生ヒカリの、女子高生二人。
急死した父親の町工場を継いだものの、従業員たちになめられきってるボンクラ息子。長年付き合ってきた彼女にプロポーズする男性。ボランティア支援を続ける青年と、彼を見守る姉。
登場人物が多くて、最初は理解が忙しい。そしてバラバラだったピースが繋がりを見せてくると、今度はその無慈悲なほだしに打ちのめされる。いかにも藤井道人監督らしいインパクトね。
そして打越梨子✖️世良佑樹は、藤井監督の短編『東京』と全く同じ組み合わせ。打越梨子は印象に残る良い「眼」だな。マイナスの感情をポジティブに伝えられていて、「瞳」よりも「眼」と表現したくなる生々しさがある。
ヒカリと血。ヒトが胎児の時に包まれている羊水はもともと血液、つまり生命の始まりは血の中で育まれるのだ。そして、光のある世界へとうまれてくる。光と血があれば、世界と命があれば、生きていけるし、生まれ変われる、そう信じていたいのはそれもまた人間の性。

91
manami

manami