本好きなおじぃ

光の本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
4.4
美浜島に暮らす、信之。同級生の美花とは男女の仲だった。
信之を慕う輔は、父親から虐待を受けていて生傷が絶えなかった。
美花の異変が気にかかった信之は、来ちゃいけないと言われたが行くことにした。すると、美花が誰かに犯されていて、信之は相手の男を殴り殺してしまう。信之を後ろから追いかけていた輔は、その殺害現場の様子を撮影する。
そのあとすぐ、地震と津波が島を襲い、それをきっかけに島には住めなくなってしまったようだ。

変わって25年後。
信之はいっぱしの役所勤めのサラリーマン、娘・椿と妻・南海子がいる。
しかしこの家庭はややねじれていて、娘は少し変わっているところがあり、南海子は男と逢瀬を重ねる。
そのうち、南海子が浮気をしている最中に、娘が何者かに襲われてしまう。しかしそれに驚かない信之と、それに動揺してしまう南海子。一方信之のところには輔から連絡があり、当時の写真について脅しを受ける。それに対し信之はけんもほろろに返すが、名を変えて女優として活動する美花にも脅しが行ってしまい。

時折流れるヴィヴィッドな音楽。
ピカソを思わせるような激しい絵。
登場人物たちの気持ちの揺れを表すようなカメラの揺れ。
主人公・信之役の井浦新の、ところどころ見せる悪い笑顔。

すべてはあの島の、あの出来事が悪い。永遠と信之にまとわりつく。それを、信之はどのように振り払うのか、そして振り払えないのか。
気持ちがざわざわするままエンディングまでたどり着く。