アキラナウェイ

映画よ、さようならのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

映画よ、さようなら(2010年製作の映画)
3.2
テレレレッテッテ〜♪
レベル46。

6月18日。
また1つ歳を重ねました。

南米ウルグアイの首都モンテビデオ。小さなシネマテーク*に勤めるホルヘという男。観客の減少と財政難で閉鎖の危機に陥るシネマテークを何とか救おうと、ひとり奔走するのだが—— 。

*シネマテークとは…
上映ホールを備えたフィルム・アーカイヴ、及びその組織の事だそう。

お腹が突き出た冴えないルックス。人生をシネマテークに捧げてきた、映画一筋25年のホルへ。数々の映画フィルムの中から希少な作品を選定し、ラジオで宣伝し、映写から客席の修理までも一手で担う。

遂にシネマテーク閉館の日を迎えたホルヘは、意中の女性を誘う為、彼女の職場である大学へと向かう。

そう。
彼は映画と共に歩んできた日々から一歩踏み出し、自分の人生を歩み始める。

美容院に行って、髪の毛を洗ってもらうシーンがシュール。目を開けているのがマジでキモいぞ、ホルへ。彼の顔を覗き込む美容院のアシスタント女性の顔が逆さまに映るカメラワークが絶妙。

全編モノクロでBGMは60年代の映画音楽。なかなかに洒落ている。

「映画は知識じゃない。博識じゃない。
偉大な映画監督の作品を年代順に言える事じゃない」

「映画は人を動かす。心を動かす」

劇中の台詞の1つ1つが、映画ファンには堪らない煌めきを秘めている。

短尺と言えど決して面白い訳ではない。
どちらかと言えば退屈と感じるだろう。
それでも、映画愛に溢れている。

「幕が降りても、人生は続く」

誕生日を迎えた自分に言われているような、この言葉。さぁ、また一歩踏み出そう。