アキラナウェイ

極限境界線 救出までの18日間のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.5
お慕い申し上げているファン・ジョンミン兄貴と超絶イケメン、ヒョンビンの共演とあって鑑賞。

タリバンの人質となった韓国人を救出する為、アフガニスタンに飛んだ外交官と現地の工作員とが繰り広げる決死の交渉を実話を基に描いたフィクション。

2007年。アフガニスタンの砂漠で韓国人23名がタリバンに拉致されてしまう。タリバンは24時間以内に韓国軍の撤退と収監中の仲間23名の釈放を要求。韓国政府から交渉役として現地に派遣された外交官チョン・ジェホ(ファン・ジョンミン)は、工作員パク・デシク(ヒョンビン)と不本意ながらも手を組み、人質解放の交渉に奔走する—— 。

ゴリッゴリのイスラム教国家に、キリスト教布教の為とやって来た23名の韓国人の皆さん。呑気にバスで移動している所をさくっと拉致られる冒頭のシーン。申し訳ないが自業自得でしょ…と思ってしまう。

とはいえ、約2ヶ月に及ぶヨルダンでの撮影が敢行されたとあって、リアリティの高い映像に圧倒される。

人質殺害予告時刻まであと1時間と迫る中、チョン・ジェホの目の前で起きる自爆テロのシーンなんか、痺れてしまう。

「アッラーは偉大なり!!」

爆風に吹き飛ばされるチョン・ジェホ。いや、本当気の毒だし迷惑!!こっちは急いでいるんだって!!

反目し合う外交官と工作員の仲をとり持つ通訳カシムをカン・ギヨンが演じているが、緊迫する空気感を和らげるコメディ・リリーフとして好演。韓国映画は緊張感の高いサスペンス劇の中にも適度な笑いを挿し込むのが上手い。

アフガンの実質的な問題を解決すると言われる"アフガン部族長会議"で友好を示そうとする3人の努力の甲斐あって人質解放が決定し喜ぶも束の間。部族長達には、「人質の23名はボランティアの為に入国した」と説明していたのに、韓国メディアがキリスト教布教の為入国した事を大々的にバラしてしまう事で交渉が破綻してしまう。メディアって、本当にこういう時に役に立たない。

何度も殺害予告時刻が延長される事で、若干その緊張の糸が途切れてしまうのが残念なのと、前述の自爆テロとパク・デシクによるバイクチェイスはあるものの、もう少し個人的にはアクションシーンが欲しかったというのが本音。

それでも、ここまで壮大なスケール感と高いクオリティで映画が作れてしまう韓国の底力は凄い。