『日蓮と蒙古大襲来』
Nichiren and the Great Mongol Invasion
1958 (昭和33年)
大映
「地獄極楽はこの世にある!」
「寺を建てる金があるなら天変地異に苦しむ衆生を救え!」
大阪万博をやる金があるなら能登地震の被災者を救え!
2024年1月1日の能登地震の翌日に見た。国難を描いた映画として。
大映社長の永田雅一は熱心な日蓮宗信徒。以前から日蓮の映画を製作したいと熱望していたらしい。
多分、永田雅一を製作に踏み切らせたのは『十戒』(1956)ではないかな。モーセがヘブライの民を率いて紅海を渡る場面が印象的。
『日蓮と蒙古大襲来』では日蓮が祈って暴風が起きて蒙古の船団を沈没させたみたいに見える。
映画の冒頭のクレジットにあるように「史実を元に自由に創作された物語」だと割り切らないとね。日蓮は蒙古退散の調伏を依頼されたが断っていて実際に祈祷を行ったのは真言宗の僧侶だった。
日蓮宗のプロパガンダ映画という感じでひたすら日蓮は正しく素晴らしいと描かれる。
暴風の場面の特殊効果はかなりの迫力。円谷プロ、東宝を超えている。
日蓮を演ずるのは長谷川一夫。あれ?もう一人若い長谷川一夫がいるなあと思ったら勝新太郎だった。この頃はこういう路線だったのね。