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婚約者の友人のねねのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
4.6
みなさんのレビューを読んで「衝撃の急展開」に期待を膨らませながら鑑賞。正直もっとエグい裏切りとか狂気のカラクリものかと思ってました。そうしたら、実に美しく完成度の高い、まさに「映画たるもの」を体現した作品でありました。最初から最後まで現実と嘘が入れ混ざる。そもそもアドリアンが美しすぎる。そこが既に虚構。最後の方のアンナのセリフ「人を狂わせるのはアドリアンなのよ!」賢いアンナは解っていた!芸術をたしなむブルジョワ善良な知識人の家にまれびと降臨。そこから家族全員がウズウズし始めて。。。そう、パゾリーニの「テオレマ」ですね、これ。愛国心とか戦争の悲惨さとかは取って付けたものでも良いと私は考えました。ともあれ、仏独ともこんな良家の子息が戦闘にいともたやすく駆り出された時代があったのか?と驚きました。
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