ハンガーゲームシリーズの第一作目として考えれば、二作目や三作目といった続編に興味が持てる良作だった。だが、単純にバトルロワイヤル系作品として、単体で見ると作り込みがやや甘いなと感じた。世界観は素晴らしいが、謎が多いので続編への期待が膨らむ一作だった。
それにしても、今作はバトルロワイヤルものだが、ここまでリラックスして見られる作品というのも珍しいなと思う。緊張感が無いと言ってしまえばマイナスになってしまうが、醜い騙し合いや裏切りといったお決まりの要素が少ない点も、今作の特徴だった。そして、極めつけはラスト。本来、一人だけしか生き残れないであろうジャンルにて、ロマンスを悲劇で終わらせない点が面白いと感じた。
ぐだぐたと長文になってしまったが、今作は誰でも安心して見られる、万人受けする作品としては魅力的だったように思う。シリーズの始まりとしては良い作品だった。
(内訳)
面白さ 3.3
学び 3.2
構造 3.5