春とヒコーキ土岡哲朗

カン・フューリーの春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

カン・フューリー(2015年製作の映画)
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めっちゃセンスのいいバカが作った映画。

「ダサいけどカッコいい」ことをやり切ると、笑えてカッコいい。
始まりからバカで最高。スケボーのテコの原理でパトカーがひっくり返る。ここで、この映画の物理法則がデタラメなのを示しながら、パトカーのぶっ飛ぶ勢いも痛快で、この映画の面白さが分かる。先輩警官が斬られたとき、ベロだけ後ろ半身にくっついているのが印象的。それがリアルなのかは分からないけど、リアルに考えていくとそうかもしれないな、というのが良い。『ヒメアノ~ル』で人を刺すときに人間の体が硬くて包丁が引き抜きにくかった描写と同じで、作り手側ももちろん人を殺していないので確認しようがないが、リアルをめいっぱい想像するとこうなるんだろうな。そして、簡単にタイムマシンを作れるハッカーマン、何の説明のなく隣に現れるトリケラコップ、レーザーを出してくるラプター(ラプトル)を見て「レーザーラプター!」とすぐ言うところ……B級ノリで面白い要素をごった煮していて楽しくなる。
バトルシーンは、主人公と戦っている以外のヤツらも暴れまわっているけど、主人公以外に侵入者はいないし、一体誰と何をしているのか不明。
全編通し、ダサいけど監督がかっこいいと思っていることを全力で畳みかける姿勢が、笑えた上でカッコいい。